週末も福島県を中心に大きな余震がありましたね。
東日本大震災からもう少しで5カ月になりますが、余震を始め、放射能等、心配なできごとが後を絶ちません。
そんな中、いつの間にかたまってくる「ストレス」を上手に発散させることが大切になってきます。
被災地では、ストレスがうまく発散できないことによる依存症が懸念されています。
まずはアルコールです。
避難所生活の中でも、アルコールによるトラブルが起こっていました。
【2011年5月18日付MSN産経ニュース「悲しみ紛らす飲酒必要か」】
そこで、被災者の大量飲酒やアルコール依存を防ぐために、ケアチームの派遣も実施されています。
【2011年6月26日付47NEWS「被災者の大量飲酒やアルコール依存懸念、横須賀の医療機関がケアチーム派遣」】
また、パチンコなどのギャンブルに時間とお金を費やす姿も見られているそうです。
そして、震災がもたらすストレスは、私たち震災プロジェクトが取り組んでいる性暴力にもつながります。
▼生命の危険に接することで、心理的な不安が高まり、暴力行為が加速する
▼集団生活や物資の不足などでストレスが溜まり、そのはけ口が自分より弱い女性や子どもに向かう
▼仕事を失い、時間が余り、今後の生活への希望が見いだせない中、やり切れない思いを暴力で発散する
だからこそ、ストレスと上手に付き合い、発散させることが大切です。
「ストレスなんかたまっていない」と考えている人ほど、心配です。
これほどの甚大な被害をもたらした大災害、ストレスがたまって当然です。
この状況を乗り越えようとするために、ストレスがたまります。
ストレスは、自分の心と体を守り、危機に立ち向かおうとする「正常な反応」であり、自分の心身が、大変な環境と闘ってくれている証拠です。
弱いからストレスがたまるのではありません。
心身が悲鳴をあげていないか、自分をちょっとふりかえってみましょう。
◆被災された方へ◆
日本心理臨床学会・支援活動委員会によるサイト「東北地方太平洋沖地震と心のケア」では、被災生活の中で起こるストレス反応と、その対応方法をまとめています。
【「避難所での生活支援と心のケア」はこちらです】
厚生労働省によるサイト「こころの耳」では、東日本大震災に対応した、電話やメールによる相談先の一覧を掲載しています。
【相談先の一覧はこちら】
◆支援者の方へ◆
独立行政法人 国立精神・神経医療研究センターは、医療関係者向けの、被害者への対応方法をまとめています。
【「国立精神・神経医療研究センター」ウェブサイトはこちらです】
独立行政法人国立病院機構 久里浜アルコール症センターでは、被災地での飲酒について、注意すべきことや介入ツールをまとめています。
【久里浜アルコール症センターがまとめた「東日本大震災」関連情報はこちら】
震災が、暴力や依存症などの悲しいできごとにつながらないために、是非自分の心身を大切にしてください。