http://www.bousai.go.jp/jishin/chubou/toshibu_jishin/index.html
では、近年発生した比較的大きな地震への対応などから得られた知見を踏まえ、今後、より充実強化すべき対策を検討しています。
平成23年3月1日の委員会では、「災害時における女性のニーズ調査~なぜ 防災・災害復興に女性の視点が必要か~」が提出されました。
↓「災害時における女性のニーズ調査」はこちらです(PDFファイルがひらきます)↓
http://www.bousai.go.jp/jishin/chubou/toshibu_jishin/6/1.pdf
この調査では、宮城県北部連続地震と、岩手宮城内陸地震の体験者に調査を実施しています。
インタビュー調査の結果から、特に女性・子どものニーズについて紹介します。
★コミュニティセンターに設置された避難所に避難したが、100人程度の人がざこね状態で、仕切りもなく息苦しかった。
★アパートから避難してきた子どもたちが、自宅のドアが一つで逃げ出せなかった恐怖から自宅に帰りたがらなかった。
★トイレをがまんして膀胱炎になったり、ストレスで生理不順になるなど、婦人科的疾患に悩む人もいた。
★出産直後の母親もいて、相談のできる専門家がいなくて困っていた。
★更衣室を段ボールで作ってもらったが、不備なもので、男性の目が気になった。
★子どものストレスも大きく、避難所の中を走り回ったり、泣いたりするため、母親は気をつかって外に出ていくしかなかった。
★ストレスのために母乳が止まった。ミルクやオムツも十分でなく、授乳室やオムツ替えのスペースもなかったため、子どもへのケアも十分にできなかった。
また「防災・災害復興対策に男女の性別に配慮した対応が必要か」という問いに対しては、93%の方が「必要がある」もしくは「どちらかと言えば必要がある」と回答。
「性別に配慮して取り組む必要があるものは」という問いに対しては、「避難所の設置・運営体制」「救援医療体制」へのニーズが高くなっています。
これらの結果を踏まえ、委員からは、避難所運営に関する6つの提案を行っています。
1.運営体制の責任者に女性を配置する。
2.性別に配慮した避難所の設計を工夫する。
3.地域の医療機関・助産機関・保健センター・保育・教育機関等と連携して運営にあたる。
4.女性に必要な物資、女性に配慮した設備や相談窓口を被災マニュアルに盛り込む。
5.避難所内のトイレを安全な場所に設置するなど、女性や子どもが被害に遭わないように配慮する。
6.高齢者・障がい(児)者・妊産婦・乳幼児を持つ親等のための福祉避難所を第二避難所として設置する。(仙台市52ヶ所)
これらの提案が、今回の震災に活かされることを、心から願います。