【7/29:東京】被災地の今を知り、高齢者のくらしと健康をどう支えるかを考える

いつも震災プロジェクトのチラシなどを配布させていただいているNPO法人ETIC.主催の、被災地関連ミーティングが開催されるので、ご紹介します。

今回のテーマでもある医療・看護。
メディアを通じて、被災地で活躍する医療・看護職の姿をご覧になった方も、多いのではないでしょうか。
震災発生後すぐは人命救助に、そして震災から時間が経った今は、心身の健康を守るために、欠かせない存在です。

震災プロジェクトが作成したカードは、その多くが、医療・看護職の方を通じて被災地に配布されています。
また、性暴力に遭った人が最初に向かうのは、病院と警察です。
このため、医療・看護職の方が被災地での性暴力を知ってくださっていることが。とても大切です。

このミーティングを通じて、より多くの方が、被災地の医療・看護の重要性を実感してくれれば、嬉しいです。

東日本大震災復興支援企画「医療・看護支援ネットワークミーティング」~被災地の今を知り、高齢者のくらしと健康をどう支えるかを考える~


東日本大震災から早4か月。

一方、4ヶ月たった今でも、瓦礫が残る地域もあり、不自由な生活を強いられている人たちは、まだまだ存在しています。

特に心配なのは、高齢者の方のくらしと健康。

街の被災と同時に様々な医療機関、診療所が失われ(石巻では半分の診療所が津波により喪失)、平均高齢化率30%に近い東北の方々は“健康”に対する不安が序々に増大しています。

また、高齢者の健康は、医療施設の充実はもちろんのこと、様々な地域コミュニティの力も予防線として機能しています。

近所付き合いの中で生まれる、“最近あの人どうしているかな?”というささやかな気付きも地域の力なのです。

今回の復興では、医療・福祉の再構築が急がれるとともに、それを支える地域コミュニティの力をどのように掛け合わせていくかが非常に重要視されています。

今回は震災直後から、地域の医療再生サポート、医療・看護にかかわるコミュニティサポートを行ってきた

●林 健太郎 氏(国際保健・熱帯医学・麻酔・救命救急 医師、PCATPrimary Care for All Team

をお招きし、今、被災地の医療・看護はどのような状況にあり、行政や大きな医療機関などが手の届かない、市民活動が必要とされているニーズは何なのか、そして被災者の皆さんが“健康”に不安を感じない、安らかな生活を送るために、専門家以外の人々がどう関わってゆけるのかを議論します。

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 実施概要
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●日 時:729日(金)19:0021:00

      
●対 象:
被災地支援全般に関心の高い学生・社会人
被災地における医療・福祉の支援に関心のある学生・社会人
今後、中長期的な視点でサポートをしてみたい学生・社会人

●定 員:25
※席に限りがございます。先着順で受け付けますのでご了承ください。

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 プログラム
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19:0019:30
地域の看護師・介護士とともに、医療・介護を市民セクターとしてどう支えていくべきか

河野良雄 氏
 
19:3020:00
 震災直後に地域の医療はどのように変化しどのようなサポートが必要になったか、そして今後、被災地で必要な医療サポートについて

林健太郎 氏
国際保健・熱帯医学・麻酔・救命救急 医師 
PCATPrimary Care for All Team本部コーディネーター 
社団法人裸足醫チャンプルー(Barefoot Doctors)代表)

20:0020:30 質疑応答、グループセッション

20:3021:30 参加者の情報交換、ネットワーキング

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復興計画に、被災地に生きる人々の意見を

セミナーの様子

震災後の女性・子ども応援プロジェクトと共に活動させていただいている遠野まごころネットが国連職員をお呼びして、災害時における人権に関するセミナーを開催しました。

セミナーには現地で活動されている支援者が多数参加し、災害時における人権の重要性や、被災地の現状についてお聞きすることができました。
仮設住宅



【コミュニティの問題】

東日本大震災後、震災以前にあったコミュニティが崩れ、避難所に入った後に形成されたコミュニティも、人々が仮設住宅に入居することで崩れてしまいました。人々はこれからまたコミュニティを形成していかなければならない状況になっています。コミュニティ形成は時間がかかる上、人々の負担にもなります。仮設住宅での生活に不安を抱える人も多い中、これからどのようにコミュニティを作っていけばいいのでしょうか。
また、避難所内でも何気ない一言がコミュニティを崩す原因になっています。ある避難所では、Aさん(家が流された人)とBさん(家が半倒壊の人)の会話で、Aさんが「Bさんの家まだ残っているのに、なんでここ(避難所)にいるの?」とBさんに言ったことで、Bさんはショックで避難所を出て半倒壊の家に引きこもってしまったケースもあるそうです。




セミナー参加者
【被災者支援と自治体の現状】

現在地方自治体が復興計画について策定していますが、被災された当事者が復興計画に関わるというよりも自治体により決定してしまうことが多く、執行する際に被災者の中には不満が多く残る可能性があります。

(例)漁業支援
港の整備や船の整備など、支援の段取りについて被災した漁業関係者は選択できない。
(例)住居
津波が来た場所であっても、自分がもともと住んでいたところでまた生活を送りたがっている人もいる。平等と安全への配慮として高台へ住むことを推進してはいるが、住居を選択する権利を与えてはいけないのだろうか。


また、地方自治体の議員や役所の職員が大勢亡くなられたことで、上手く自治体が機能していなかったりします。国や民間のNPO、NGO、企業が彼らのサポ-トをすることは必要ですが、彼らが主体となった復興でなければなりません。あくまで主体は現地で生活する人であるべきです。



震災から4ヶ月が経ちました。
被災地で生きる人々の状況・生活は変わってゆきます。
中央政府はそのスピードに対応できていません。
自治体、支援者、行政が、これからどのように連携していくかが今後重要になるのではないでしょうか。

被災された方々が望む街や社会へと再建していくために、マイノリティ・年代・性別に関わらず、現地で生きる人々の意見がきちんと復興支援に取り入れられるよう、これからも後方支援をしていきたいと思います。

慶應義塾大学の南三陸支援プロジェクト、事前勉強会で講演しました

先日慶應義塾大学主催の、被災地ボランティア事前研修会で、
震災後の女性子ども応援プロジェクトとして活動の紹介とボランティアと被災者のための防犯についてお話させていただきました。




総勢200人も集まったそうですが、中には入れる人もいないぐらい盛況でした。
主催の先生によると、事前勉強会に必ずすべて出席してから参加してもらうのが条件だそうです。
それでも、夏休みを生かして これだけ参加していただけたら、本当に今後も被災地の復興のために大きな力になると思います!



今回震災プロジェクトと自分を大切にするカードの紹介をしてくれたのは当プロジェクト事務局ポラリスのフェロー生織本さんでした。彼女は当プロジェクトでも一番現地での活動が長く、同じ学生としてできることを参加者に伝えていました。

学生の皆さん、ぜひ夏休みを利用して、 被災地のボランティアに参加してみませんか。
こちらの東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN)のサイトでは様々なボランティア機会があります。

復興の主役は被災された地の人々です。でも、震災自体が「風化」されることを現地の人は一番恐いといいます。学生の皆さんの機動力が必要です。 ぜひご参加ください。

震災・性暴力とPTSD

ここ数日大きな余震が続いていますね。
どうぞご自愛ください。

「PTSD」という言葉を聞いたことがある方も多いと思います。
Posttraumatic Stress Disorder 訳して「心的外傷後ストレス障害」。
一生涯忘れることのできない心の傷「トラウマ」を抱えた人に起こる症状です。

具体的には以下のような症状が起こります。

1)再体験
トラウマ体験を思い出す。
2)回避・麻痺
トラウマ体験を思い出す状況・場所・人などを避け、体験を思い出そうとしない。
3)過覚醒
些細なことを気にしたり、何でもないことに驚いたり怒ったりする。

同じ出来事でも、トラウマになる人とならない人がいます。
今回の東日本大震災のような自然災害は、約10%の人がトラウマになるとされています。
そして震災プロジェクトが取り組む性暴力は、約40%もの人がトラウマになるとされています。
震災後に性暴力に遭った方が、どれほどの深い傷を負うかは、容易に想像できます。

PTSDはその出来事から3か月経った後、本格的な症状が表れてきます。
東日本大震災から4か月半が経過した、まさに今が、とても心配な時期となっています。

日本臨床心理士会、日本心理臨床学会、日本臨床心理士認定協会が連携して立ち上げた「東日本大震災心理支援センター」では、7月1日から、被災者、支援者向けの「東日本大震災心の電話相談」を開設しています。
詳細はこちらです(PDFフィルです)

「災害時の性暴力・DV防止ネットワーク」では、東日本大震災に関する性暴力・DVのメール相談を受け付けています。
相談フォームはこちらです

「全国女性シェルターネット」では、東日本大震災に限らず、性暴力に遭った方へ電話相談を受け付ける「パープル・ホットライン」を開設しています。
詳細はこちらです

PTSDは、日常生活の中では起こることのない出来事に対する正常な反応です。
PTSDになったことは、個人の責任ではありません。
回復は、社会の責任によって、なされる必要があります。
社会が責任を持って対応することが、トラウマの連鎖を防ぐことにもつながります。

あなたの周りで心配な人、気にかかる人がいたら、是非相談窓口を紹介してください。

支援者向け説明会で私たちの活動を紹介してきました

東日本大震災の被害がかつてないほど甚大であったこともあり、「これまで自分がやってきたことを被災地で活かしたい」「何かできることはないか」と考える方が、少なくありません。
また夏休み、ということで、学生さんを中心に、被災地にボランティアに行こうと考えている方も増えています。

そこで、被災地に関心がある方や、支援をしたいと考えている方を対象としたセミナーが、あちこちで開催されています。
こうしたセミナーで、震災プロジェクトの活動を紹介しています。

最近参加してきた、NPO法人ETIC.主催のセミナーを2つ、報告します。

1つ目は、6月30日に開催された「南三陸支援ネットワークミーティング」~被災地の今を知り、これからの支援を考える~

街が壊滅的打撃を受けた、宮城県の南三陸町にフォーカスし、現地の状況、ニーズがどのように変化をしているのかを知るとともに、東京にいる私たちが今後どのような支援ができるのかを考えるミーティングでした。

つなプロ 南三陸 エリアマネージャー補佐として、南三陸支援に取り組んでいる安藤仁美さんからのスカイプでの報告、以前から南三陸でイベントを開催していた方や、出身地が南三陸の方からのお話、そして南三陸町長も電話で登場し、現地、支援者、「何かしたい」と考えている方がつながることのできた、とても有意義な場となりました。

2つ目は「ETIC.震災復興リーダー支援プロジェクトキックオフ&マッチングフォーラム」。

災害復旧からコミュニティ再生・産業復興へとフェーズが進みつつある中、既に現地で活動するリーダーたちの右腕(パートナー)として、長期(3ヶ月~1年程度)でプロジェクトに参画できるメンバーを本格的に呼びかけていくフォーラムでした。

フォーラムで紹介されたプロジェクトは、東北の復興と暮らしを支える人たちのあるがままを届けるWebサイト「みちのく仕事」に掲載されています。

会場は、イスが足りなくなるほどの大盛況でした。



「被災地で支援活動をしたい」と考える方に、震災後の性暴力を知っていただくことは、とても重要です。
なぜなら
・支援者が「停電や建物の倒壊で死角が増える」「避難所やお手洗いが男女共同」といったハード面を改善することで、性暴力を防ぐことができる
・ライフライン復興が中心となる中で、震災地の方は「命が助かったのだから」と、性暴力をはじめとする不快・不安に対して声をあげることが難しい
・土地勘のない中で活動する支援者も、性暴力に遭うリスクを有する
といったことがあるためです。

これからも、こうした支援者向けセミナーでも、私たちの活動を広げていきたいです。

震災プロジェクト出演TVがウェブサイトで公開されました

7月11日のブログで紹介した、震災プロジェクト出演TV「今私たち市民にできること」

番組がウェブサイトでも公開されました。

テーマは「震災後の女性・子ども」
震災後の性暴力について、お話しています。

番組はこちらからご覧になれます

1人でも多くの方に関心を持っていただければ光栄です。
是非ご覧ください!

被災地の10代にプレゼントを送ろう

震災プロジェクトとともにカードを作成した「災害時の性暴力・DV防止ネットワーク」
このネットワークが応援している
で、被災地の女子中高生を対象に自分の感情を出してHAPPYに過ごせる会「ティーンズ女子会」を開催します。 
この会で配布する、「支援物資」ではない「プレゼント☆」として、10代の女の子が喜んでくれる「カワイイ♡グッズ」を募集しています。

みなさん、10代の女の子たちの笑顔を思い浮かべながら、贈り物として応援の気持ちを送りませんか?
仙台市内および近郊の女子中高生300人が来場予定です。

***

【募集しているプレゼント】
シュシュ、かわいいミニポーチ、アナ・スイ等人気ブランドのハンドミラー、携帯電話用デコシール、つけまつげ、キラキラ系のカチューシャ、10代に人気のアーティストのCD、アロマキャンドル、ミッキーの耳(ディズニーランドのお土産にあるような)、MIKASAの簡易バッグ

 
***

被災地の10代は、こんな思いを抱えながら過ごしてきました。

お風呂に入れず体の臭いが気になってつらかった。学校が始まると聞いて、友達に会えるとうれしくなったけど、体の臭いが気になってあまり喜べなかった(仙台市・女子中学生)
大切な物が全部なくなった。友達からもらったものもお気に入りのものも。家もなくなった。家族が生きていたからいいけど、失くしたものがいっぱいある(名取市・女子高校生)
地震から時間が経って、好きな音楽を聴いたら初めて涙が出た(仙台市・女子中学生)
みんな頑張っているのに、頑張れない自分はダメなヤツ(岩沼市・女子高校生)
お母さん、おしゃれでキレイだったのに身の回りを気にしなくなった。大変なのはわかるけど。さびしい(仙台市・女子中学生)


災害ネットの呼びかけで、女性たちが集まり、プレゼントを送りました。




あなたの気持ち、是非被災地の10代の女の子に届けてください!


7/12 TVで震災プロジェクトが取り上げられます

TVで震災プロジェクトを取り上げていただけることになりました!

712日(火)2245前後~
「今私たち市民にできること」

BS11 2200-2255INsideOUT
というニュース番組内の3分間のコーナーです。

地デジ対応で、ケーブルTVの契約をされていれば、ご覧いただけます。
動画は後日、ウェブサイトにもアップされます。

番組では震災後の性暴力について話をしています。
女性・子どもが危険な状況に置かれること、
嫌なことがあったら声を上げていいこと、
声を上げることのできる相談先を紹介しています。

またこの番組は、「誰でもアクセスできるように」ということで
聴覚障がい者に対応した文字通訳・手話通訳があります。

1人でも多くの方に、震災地での性暴力を知っていただけばと思っています。
是非ご覧ください!

震災被災者支援プロジェクト「いきるちから」キャンプ

社団法人ガールスカウト日本連盟による、
震災被災者支援プロジェクト「いきるちから」キャンプが
2011年8月14日~16日に開催されます!

参加対象者は岩手県・宮城県・福島県の被災地の児童と、
同県支部のガールスカウトです。

参加費は無料なので、たくさんの子ども達が参加できるよう、
皆様にも広めていただきたいです。

キャンプ詳細はコチラ
チラシはコチラ

当プロジェクトが、建築ジャーナルで紹介されました

当プロジェクトの活動を、「建築ジャーナル」2011年7月号で紹介していただきました。

「Close Line」というコーナーで、タイトルは「被災地の性暴力、避難所の男女別トイレを義務化に」です。

掲載ページはこちらです(PDFファイルが開きます)

「建築ジャーナル」は、建築設計の実務に携わる人々が直面する問題を取り上げ、建築プロフェッションのあり方を追求している雑誌です。

今回、建築の第一線で活躍されている皆様が読んでいる雑誌に掲載していただいたことは、本当に嬉しく心強いことでした。
なぜなら、被災地での性暴力は、ハード面の整備により、防げる部分もあるからです。

例えば、タイトルにもあるように、避難所のトイレを男女別にする。
寝る場所や着替えの場等を男女別にする。
「ちょっとした配慮」が、性暴力という悲しい出来事を防ぐことにつながります。

被災後は「命が助かったのだから」と、ライフライン復興以外のことが後回しにされがち、声を上げることが難しくなります。
だからこそ、ハード面を整備することで、安心して過ごせる環境をつくることが、とても大切です。

今回取り上げていただいたような内容を、もっと多くの方に知っていただくことが必要です。

女性だからできる復興支援(ボランティア編)

女性子ども応援プロジェクトのスタッフが交代で活動をさせていただいている岩手県遠野市の「遠野まごころネット」さん。

先月、被災された方を全力でバックアップしているそんな全国から集まるボランティアの皆様に協力頂き、当プロジェクトスタッフとまごころのパワフルなボランティアさんがワークショップを開催しました。
その名も、 「女性だからできる復興支援!おしゃべり会」






男性3人含む18人の参加でした!そのあとも入れ替わり立ち代り立ち寄ってくれて、予定よりも大幅にオーバーして終了しました。

以下、報告です。



6月13日(月) 夜20:00~21:35
場所:ボランティアルーム
人数:18人(女性15人、男性3人)

  •   防犯の視点から
   災害後は治安が悪化し、暴力が3倍増えるといわれる
   海外の災害や人災時、国連や人道支援のNGOは暴力予防班を導入することが当たり前
   被災者の被害
   盛岡:停電中に10代女性が強姦される
   大船渡:避難所で就寝中トイレに行こうとした女児が触られる
   ボランティアの被害
   石巻:ボランティアの女性刺される(5月17日)
   仙台:ボランティア女性、車に連れ込まれそうになる
   一人一人が声を掛け合い、死角をなくし、コミュニケーションをとることで加害の目をなくすことができる。
  •   被災者の半分の女性、そして子どものニーズはあるのか?
   5月末、女性の着替えするスペースがない避難所では、トイレの個室で高齢者女性が着替えている。それでも「(こんなこと)班長さんに伝えなくていいから」という
   避難所のリーダーは男性、その地区を取りまとめてきた人が多い
   だからこそ、せっかく仕切りがあっても、設置せずに隅に置かれ、避難所でプライバシーが守られない時期もあった。
   地域によっては、女性が介護、子どもの世話、数十人分の食事などを一手に任せられていてとても疲れている印象の地域もある。ぜひ今後見ていきたい。
   女性の食事当番を無くして外部からお助け隊を入れたりしてもらうということで、負担がかなり軽くなった。
   まごころネットの活動のなかで、「ある地域で性暴力があった、ぜひ防犯ブザーなどを子どもたちに配布したいという要望があり配布することができた
  •   参加者から:
   分かち合い隊(避難所などでご飯を用意するお助け隊)で、10代の娘さん3人いるお母さん「避難所は真っ暗なので防犯対策がほしい」
   ゴールデンウィークあたりから下着・夏服のニーズをよく聞くようになった。
   仮設トイレは、男女別の比は1:3というのが一般的というが、男女に分かれていないところも、男子女子が1:1のところもあった
   服の物資をもらった女性:サイズが合わないのでお直しとかできるサービスがあったら良いなと思った
   仮設住宅がどんどん建てられているが、高齢者や障がい者、小さいお子さんがいる人には不便な環境にあるところが多い。1才の子どもを持つお母さんは「子どもの遊び場は3月11日後ないので、外に行っていない。避難所から10分歩いたところに公園が残っているが、重機がいっぱい入っている道路を通るので危なくて連れていけない。
   男性の方から「政府は経済的な復興しかみていないので、さまざま視点が新しい風を入れないと、弱者から崩れてしまう」
   お母さんたち「子どもたちの物資はたくさんあるけど、私たちのはないんだよね」「芸人さんが来訪した時にもらったTシャツとかを数枚着まわしている」「あなたが着ているようなちょっと羽織れるような上着欲しいな」
   お母さんたち「乳児 Sサイズ、新生児用の服はあるが、そのあとのサイズがない」
   化粧品会社が来て化粧品を配っていて、女性はとても喜んでいた。高齢の女性も貰って喜んでいたが、実際つけてみると白すぎるファンデーション。農業の女性は日に焼けている人も多い。またある女性「もらったのはうれしいけど、秋冬用のファンデーションでもったりして使えない。日焼け止めがないからその代わりに使ってみようかな」
   女性は生理用ショーツは羽つきナプキンが使いやすいが、あるのは羽根なしのみ。
   ブラジャーは、本当にどの女性もないと言っている(あるけど、自分のサイズでないので使えない)。年配の女性「わたしだったらもうキャミソールみたいのを着てればいいけど、高校生などの女の子は動き回るし(ブラジャーがないと)かわいそうだね」
  • 被災した人たちのためのボランティアの姿勢
   女性男性関係なく、ボランティアがもう一度被災した人への姿勢を考えてもらいたい
   被災された人たちが主体的に活動し、それをたまに手伝うのが私たちボランティア
   まごころネットで活躍するボランティアの中にも、初心を忘れてしまう人が多い
   まだ仮設住宅が決まっていない人がいるのに「みんな仮設入れたんだよねー!良かったねー!」と大きな声で言ってしまう
   ボランティアの中でも、気になる行動をとってしまう人には、その人に対応したやり方で気づいてもらうことが大事?若い女性が年配の女性に注意を促すよりも、別のタイプの人が話した方が(男性とか)聞き入れてくれるかも?
   まずはボランティアの姿勢に問題が出てきているのであればそれをまごころで共有していこう
  • ボランティア女性のために
   「別団体で民家の片づけをやった時に、女性は私一人だった。がれき撤去以外に、民家のおばあちゃんがボランティアをもてなすためにいろいろ料理を出してくれた。私はおばあちゃんが出してくれたししゃもを焼きながら、がれきも片付けてちょっと大変だった。で、食べ終わった後も、誰も動かないのでおばあちゃんと私で片付ける感じになった」。エピソード聞いて他参加者「そんなの片付けなくていいですよ、ボランティアは自己完結なんだから他のボラは自分でやりましょう」
    まごころネットのボランティア女性にも参加期間中は全員ブザーを持ってもらうのはどうか。




と、このようなとても興味深い話がどんどん出てきました。こちらから出てきた声はすべて運営会議で次の日発表され、今後の活動に生かされていきます。
とても盛り上がった女性視点のワークショップは今後も何度か繰り返されました。
また改めて報告させていただきます!

「被災者像」に当てはまらないことによる「見えない問題」

NPO法人POSSEが主催する講座で、私たちが作成したカードを配布させていただきました。
内容とともに紹介させていただきます。

POSSEは労働相談、労働法教育、調査活動、政策研究・提言、文化企画を学生を中心とする若者自身の手で行っているNPO法人です。
東日本大震災後、被災地のNPOと連携しながら、仮設住宅への移転支援や、住民への生活支援などに取り組んでいます。

今回開催されたのは、「被災地とどのように向き合うか」をテーマとした3回連続講座。
講師は、第1回は岩田正美さん(日本女子大学人間社会学部教授)。
第2回は稲葉剛さん(NPO法人自立生活サポートセンター・もやい代表理事)
まず被災地でのPOSSEの支援活動報告があり、その後講師の講演、という内容でした。

岩田さんからは「震災と社会的排除」というタイトルで、震災前も社会から排除されていた人々が、震災によりより一層排除される、というお話がありました。
「震災前にどのような生活を送っていたか」が、震災後の生活に大きく影響します。
震災後すぐは、その差は見えづらいですが、震災から時間が経つと、どんどん明らかになってきます。
例えば、避難所での生活の後、自分で賃貸住宅を借りて転居することができる人と、それが難しく仮設住宅に転居する人がいます。
仮設住宅では公的な物資の提供がないため、仮設住宅に転居することすら難しく、避難所生活を継続する人もいます。
そんな中、「日本全体の一体感」や、私たちがイメージする「被災者像」は、そこに当てはまらない人の排除をより一層強めます。
「被災者」は「同じではない」ことの確認と、「別枠での支援」が必要です。

稲葉さんからは「震災後の生活困窮者支援」というタイトルで、貧困問題が不可視化されている、というお話がありました。」
震災後、多くの被災者は、「家がなくなる」「金銭を失う」など、「貧困」においてもともとなじみのある問題が顕在化します。
このため、本来であれば「被災者」と「貧困者」への支援は、ひとくくりです。
しかし貧困対策と銘打った活動は、敬遠されます。
それは私たちの「貧困」に対するスティグマがあるためです。
「貧困者」の中から「被災者」だけにスポットライトが当てられ、本当に困った人々は声を上げられない状況です。
震災復興においても、被災者が声を上げ、被災者主体の活動にお金をつけることで、被災者中心の街づくりに取り組んでいくことが必要です。

私たちが応援する女性・子どもは、まさに「被災者像」に当てはまらない、「声を上げられない」もしくは「声を上げても聴いてもらえない」存在です。
女性・子どもが抱える問題は「見えない問題」とされるため、政府が様々な方針を打ち出しているにもかかわらず、実際の被災地での取り組みは、進んでいません。
継続して活動を続けていく必要を感じました。

なお、POSSEの連続講座、次回は7月10日です。
講師は仁平典宏さん(法政大学社会学部准教授)、テーマは「被災者とどのように向き合うか」です」。
【講座詳細はこちらです】
様々な示唆を与えてくれる、素敵な講座ですので、是非足を運んでください!