震災・性暴力とPTSD

ここ数日大きな余震が続いていますね。
どうぞご自愛ください。

「PTSD」という言葉を聞いたことがある方も多いと思います。
Posttraumatic Stress Disorder 訳して「心的外傷後ストレス障害」。
一生涯忘れることのできない心の傷「トラウマ」を抱えた人に起こる症状です。

具体的には以下のような症状が起こります。

1)再体験
トラウマ体験を思い出す。
2)回避・麻痺
トラウマ体験を思い出す状況・場所・人などを避け、体験を思い出そうとしない。
3)過覚醒
些細なことを気にしたり、何でもないことに驚いたり怒ったりする。

同じ出来事でも、トラウマになる人とならない人がいます。
今回の東日本大震災のような自然災害は、約10%の人がトラウマになるとされています。
そして震災プロジェクトが取り組む性暴力は、約40%もの人がトラウマになるとされています。
震災後に性暴力に遭った方が、どれほどの深い傷を負うかは、容易に想像できます。

PTSDはその出来事から3か月経った後、本格的な症状が表れてきます。
東日本大震災から4か月半が経過した、まさに今が、とても心配な時期となっています。

日本臨床心理士会、日本心理臨床学会、日本臨床心理士認定協会が連携して立ち上げた「東日本大震災心理支援センター」では、7月1日から、被災者、支援者向けの「東日本大震災心の電話相談」を開設しています。
詳細はこちらです(PDFフィルです)

「災害時の性暴力・DV防止ネットワーク」では、東日本大震災に関する性暴力・DVのメール相談を受け付けています。
相談フォームはこちらです

「全国女性シェルターネット」では、東日本大震災に限らず、性暴力に遭った方へ電話相談を受け付ける「パープル・ホットライン」を開設しています。
詳細はこちらです

PTSDは、日常生活の中では起こることのない出来事に対する正常な反応です。
PTSDになったことは、個人の責任ではありません。
回復は、社会の責任によって、なされる必要があります。
社会が責任を持って対応することが、トラウマの連鎖を防ぐことにもつながります。

あなたの周りで心配な人、気にかかる人がいたら、是非相談窓口を紹介してください。